日立連合ねぶた委員会

~新たな歴史!15年連続海上運行に向けて~

【今年の見どころ】

 2018年の日立連合ねぶた委員会のねぶたの題材は、九尾の狐 「玉藻前(たまものまえ)」。制作は北村蓮明氏が手掛ける。ねぶたは、絶世の美女といわれた「玉藻前」を陰陽師の「安倍泰成」が、各地で王を惑わし国を滅ぼした九尾の狐であると見抜き、成敗するという場面である。見どころは、狐の九本ある尻尾の「奥行」と「迫力」、そして「バランス」である。送りは能の作品の一つである「石橋(しゃっきょう)」が描かれている。前ねぶたはエアコンのキャラクターの白くまくん、あとはCMでもよく見る「この木なんの木」の木をパネルにして日立のロゴをつけて出している。

 

【団体の歴史】

 日立連合ねぶた委員会は2016年に50周年を迎えた歴史ある団体である。受賞歴が運行団体の中でも特に多く、2017年には14年連続の海上運行という偉業を成し遂げた。また、日立の囃子方である「凱立会」は囃子賞を連続受賞しているため注目すべきである。

 

【今年の目標】

 昨年度は青森県の横浜町が題材であったこともあり、日立連合ねぶた委員会と横浜町との連携がうまく取れた。そのことによって、団体と町が一体となってねぶたの運行を行うことができた。横浜町との連携によって「跳人の増員」にもつながったという。さらに昨年は、横浜町の「菜の花」の黄色をあしらった花笠をかぶった跳人の参加などの工夫が、運行跳人賞の受賞の要因になった。

 今年は「狐」にまつわる題材であるため、跳人の衣装に注目して何か隠れていないか注目してほしい。目標は「ねぶた大賞」「5年連続の囃子賞」「15年連続海上運行」である。どの団体も成しえていない偉業を継続し、歴史を構築し続けるために工夫を凝らし、跳人、ねぶた、囃子のすべてがバランスよく、「一体感」を追求し今年度も運行に臨む。

 

【運行について】

 運行形態は、ねぶたをお客さんにしっかり見せたいという考えから跳人、ねぶた、囃子の順で運行している。跳人は少ないときで150人ほど、多いときには300500人にもなる。花笠はないとだめということではないが、できるだけ多くの人につけて欲しいので推奨はしている。会員数は130150人くらい。運行の統制や役員団、跳人の統制、警備など安全のためにスタッフを配置している。

 

【ねぶた制作】

 初めに日立のねぶたを制作した第三代ねぶた名人のねぶた師 佐藤伝蔵氏、1986年から弟子の福井祥司氏に変わり1994年からは佐藤伝蔵氏の流れを汲む渋谷一擲氏、そして2004年からは細部までこだわり、色鮮やかなねぶたで有名な北村蓮明氏が制作を担当している。ねぶたの制作に関してはねぶた師に任せており、ねぶたのテーマなどもねぶた師が決めている。2013年にはLEDを導入したねぶたで初めて大賞を受賞した。日立ではねぶた専用のLED(=「NBT」)を使用している。通常のLEDであれば明るすぎて色が飛んでしまうところを、暗くなるように光度を落とした電球を特別に制作している。

 

【囃子方について】

 凱立会は初代青森ねぶた正調囃子保存会会長である南了益氏が大切にしてきた「囃子、技法、歴史、心」を承け継ぎ、すべてを伝えていく趣旨で結成された会である。賞に関係なく普段から練習や勉強をして、最高の囃子を祭りで届けることと、正調囃子をはじめとした囃子に携わった先人たちの思いを承け継ぐことを理念としている。注目すべきは「太鼓」であり、もともと53節あった囃子をどう7節に落とし込むか熱心に研究し、強弱だけでなく演奏している姿から囃子にかける熱い思いが伝わってくるはずである。

 

文責:斉藤 勇耶

 

写真:2017年 日立連合ねぶた委員会 「吹越村の火消し権現」 製作者 北村蓮明