日立連合ねぶた委員会

~跳人、ねぶた、囃子方の「一体感」で魅せます~

2019年の見どころ】

  令和元年となる今年の日立連合ねぶた委員会の題材は、坂上田村麿「ねぶた伝説」である。制作は北村蓮明氏が手掛ける。ねぶたは、坂上田村麿が茅人形を用いて、屯慶に相対するという場面で、今日に伝わる「青森ねぶた」の原型「ねぶた伝説」のはじまりとされている。屯慶は女領主の阿屋須(おやす)の弟で副領主である。また、送りにも阿屋須と屯慶が描かれており、ねぶたを回してテーマを繋げるという工夫がされている。見どころは、なんと言っても坂上田村麿が持っている大きな茅人形である。実際のねぶたでは空間を上手く利用した奥行きのある構図となっており、北村蓮明氏の新たなる挑戦を見ることができる。

 昨年度、それまで14年連続海上運行してきた記録が途絶えてしまった。今年はその悔しさをバネに跳人とねぶたと囃子方の「一体感」を武器に入賞を狙う。もちろん狙うはトップのねぶた大賞であるが、ねぶたの運行では安全面を第一に考え、常にベストを尽くすと語る。前ねぶたは、日立エアコンのキャラクター「白くまくん」と日産である。

 

【団体の歴史】

  日立連合ねぶた委員会は2016年に50周年を迎えた歴史ある団体である。受賞歴が運行団体の中でも特に多く、2017年には14年連続の海上運行という偉業を成し遂げた。また日立の囃子方である「凱立会」は囃子賞を過去に12回受賞しているため注目すべきである。

 

【運行について】

  運行形態は、ねぶたをお客さんにしっかり見せたいという考えから跳人、ねぶた、囃子の順で運行している。跳人は少ないときで150人ほど、多いときには300500人にもなる。花笠はないとだめということではないが、できるだけ多くの人につけて欲しいので推奨はしている。会員数は130150人くらい。運行の統制や役員団、跳人の統制、警備など安全のためにスタッフを配置している。また、今年からポカリスエットでお馴染みの大塚製薬が協賛したことで、ポカリスエットで水分補給ができるようになった。

 

【ねぶた制作】

  初めに日立のねぶたを制作した第三代ねぶた名人のねぶた師 佐藤伝蔵氏、1986年から弟子の福井祥司氏に変わり1994年からは佐藤伝蔵氏の流れを汲む渋谷一擲氏、そして2004年からは細部までこだわり、色鮮やかなねぶたで有名な北村蓮明氏が制作を担当している。ねぶたの制作に関してはねぶた師に任せており、ねぶたのテーマなどもねぶた師が決めている。2013年にはLEDを導入したねぶたで初めて大賞を受賞した。日立ではねぶた専用のLED(=「NBT」)を使用している。通常のLEDであれば明るすぎて色が飛んでしまうところを、暗くなるように光度を落とした電球を特別に制作している。また、ねぶたのピンクの波先まで美しく魅せるために、チューブ型のLEDも今年から導入し、自然な発光を実現する。

 

【囃子方について】

  凱立会は初代青森ねぶた正調囃子保存会会長である南了益氏が大切にしてきた「囃子、技法、歴史、心」を承け継ぎ、すべてを伝えていく趣旨で結成された会である。賞に関係なく普段から練習や勉強をして、最高の囃子を祭りで届けることと、正調囃子をはじめとした囃子に携わった先人たちの思いを承け継ぐことを理念としている。注目すべきは「太鼓」であり、もともと53節あった囃子をどう7節に落とし込むか熱心に研究し、強弱だけでなく演奏している姿から囃子にかける熱い思いが伝わってくるはずである。

 

【その他】

今年出陣する 坂上田村麿「ねぶた伝説」のねぶたは、720日に青森新中央埠頭特設会場で開催予定のa-nation2019に参加予定。有名アーティストとねぶたのコラボに注目である。

 

文責:岡本 湧太

 

 

写真:2018年 日立連合ねぶた委員会 九尾の狐 「玉藻前(たまものまえ)」 製作者 北村蓮明