東北電力ねぶた愛好会

~出陣51回目!新たなスタートを迎えた東北電力の姿を皆様へ~

 

〔今年の見どころ〕

 今年で51回目の出陣となる東北電力の題材は「花和尚「魯智深」誕生」。中国の小説・水滸伝に登場する魯達が、紆余曲折を経て魯智深の法名を授けられ、この世に誕生した場面が描かれている。送りは魯智深の仲間である九紋竜史進である。このような題材は例年、東北にゆかりのあるものとしているが、51回目という節目の年である事から、ねぶた師の京野和鴻にお任せしたという。そして、ねぶた本体が歴史を重視した題材であるのとは対照的に、前ねぶたは子供も楽しめるようにと、人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクターが登場する。また、今年は昨年に引き続きねぶたに使われるLEDを増やし、全体の三分の二がLEDとなる。これにより、「我生会」独特の淡い色がより一層鮮明になり、ねぶたを際立たせる。このように進化を続けるねぶたと、昨年一新した半纏をまとい、リニューアルした東北電力で今年のねぶた祭りにも挑む。

 

〔運行団体の歴史〕

  東北電力は昭和 23 年から運行を開始した。経営理念が「地域繁栄への奉仕」ということもあり、地域との共栄を目的に始めた。現在のスローガンも「寄り添う力」であり、理念に一致しているため運行を続けている。当時の東北電力ねぶたはオイルショックの影響を受け、昭和 49 年に出陣を休止した。しかし青森市内に在住する人々からの復活を望む声が多くあり、労働組合が中心となって東北電力ねぶた愛好会を立ち上げ、昭和 59 年に運行を再開した。運営資金は労働組合の会員、社員の会費、関連企業や取引先からの協賛金を中心に賄っている。現在も会社と労働組合が協力してねぶた運営を行っている。

 

〔運行について〕

  愛好会には 500数名が所属しており、その中の実行委員会が跳人や運営を行っている。跳人は多くて1100人くらい参加し、愛好会からは120人ほどが参加しているという。また東北電力では花笠の着用は必須で、跳人として参加する人には貸し出しを行っている。なお、当日の受け入れも花笠、浴衣、たすき、いわゆる正装の方は参加可能である。囃子は社員が中心となった電囃会という部隊を持っており、その会員は 50 人ほどである。その中には勤務地が県外の人もおり、休日を利用して青森に囃子の練習に来る人もいるのだという。そして東北電力には曳行部という曳き手の部隊がある。部員は20人くらいで、東北各地に散っているので15人くらいが代わるがわる参加しているという。

 

〔制作について〕

  ねぶたの制作は昭和 59 年の復活以降、我生会(1 4 代目名人である鹿内一生が結成したねぶた師の一門)に依頼している。現在のねぶた師は京野和鴻である。東北電力は昔ながらのねぶたにこだわっている。現在のねぶたは鮮やかな色づかいのねぶたが多いが、東北電力は淡い色づかいで一体もののねぶたを作っている。我生会独特の淡い色づかいとかすれのある書き割りで表現される荒々しさ、手足の力強さは東北電力のねぶたの特徴である。また、東北電力は毎年、秋田のおなごりフェスティバルに参加している。そこでその年に制作されたねぶたは囃子による演奏と共に最後の披露を迎え、その後、役目を終えたねぶたはその場で取り壊される。 

 

〔東北電力ねぶた愛好会囃子方 電囃会〕

 名前の由来は「東北電力の囃子の会」ということからきている。結成当初の先輩方の思いや囃子のこだわりを大切に引き継ぎ、さらに後継へと伝えていくことに重きを置いて活動している。また囃子は「縁の下の力持ち」という理念のもと、ねぶた本体や跳人を盛り上げるべく音を奏で、影ながら東北電力ねぶた愛好会を支えている。

 

 

 

 

 文責:工藤まどか

写真:2017年 三国志演義「美髯公 関羽 参上」  制作者:京野 和鴻

下絵:2018年 花和尚「魯智深」誕生        制作者:京野 和鴻