青森自衛隊ねぶた協賛会

~規律正しくいきいきと!頼れる味方を表現したねぶたと一糸乱れぬ統制踊りに注目~

 2018年の見どころ>

  今年は「頼れる味方」というテーマをもとに、題材は「児雷也(じらいや)」に決定した。規律正しくいきいきとした姿で住民の信頼に応え、有事の際は敢然と立ち向かい災いを振り払う頼れる味方でありたい、という青森駐屯地の願いを表したねぶたとなっている。

  今年も自衛隊恒例の「統制踊り」が見どころとなっている。去年は統制のための笛が聞こえず踊りが乱れる事があった。その反省点を踏まえ、今年はより統制が取りやすい踊りへ修繕して臨む。自衛隊の強い思いが込められた有賀義弘氏のねぶたとより美しく統制の取れた隊員たちの踊りに注目して欲しい。

 

<歴史>

 青森自衛隊ねぶた協賛会は、陸上自衛隊青森駐屯地に所在する部隊を基幹として、昭和35年から青森ねぶた祭に参加し、平成29年度の出陣で55回目の参加を迎えた。青森陸上自衛隊の正しい姿を地域の方に理解してもらうため、「地域の皆様との親近感の醸成と、郷土と共にある自衛隊の確立を目指すこと」を目的に出陣をした。自衛隊として青森駐屯地からねぶたを出陣した当初は、ねぶた師の佐藤伝蔵氏、千葉作龍氏、鹿内一生氏等に制作を依頼していたが、ねぶた祭りへ継続的に参加するには毎年高額の経費がかかるため、昭和43年頃から自衛官中心でねぶたを制作することとした。当初は、ねぶた師の佐藤伝蔵氏に師事をいただき3名が見習いとして参加し、昭和52年から師事を受けた3名の自衛官が中心となってねぶたを制作した。このように、自衛隊の出陣は地元意識に根付いたものである。青森駐屯地の隊員は地元出身者が多く、自分たちの力で地元を守るという意識が非常に強い。自衛官として、また、青森市民として活動し地元を守っているのである

 

 <制作>

 現在のねぶた師の有賀義弘氏は青森市出身の自衛官。有賀氏の前に制作していたねぶた師は後継者が決まらないまま定年退職したため、十数年と一番長くねぶた制作に関わっていた有賀氏に白羽の矢が立った。自衛官のため、本来の任務をしながら余暇を利用して構想を練り、ねぶた制作に携わる。有賀氏の他、配線・照明班2名、制作要員15名、紙貼り15名の自衛官でねぶたを制作。ねぶた師、制作・紙張り等のねぶたの制作は全て自衛官が行っている。ねぶた制作・運行にかかる経費について、平成9年頃までは青森駐屯地に所在する隊員からの拠金により、必要最低限の制作にかかる予算を捻出していた。現在は、ねぶた協賛会が経費に関わる支援を行い、隊員が制作を担任するという役割区分となっている。現在の課題は、有賀氏の後継者となる、ねぶた師の育成である。

  下絵の題材は、その年にあったテーマで枠組みが決まる。年度の特性、自衛隊の特性を踏まえ、今年度の大きな枠組みやテーマをねぶた実行本部長(青森駐屯地司令)が提示。その中で、テーマに沿った題材を有賀氏が掘り下げる。制作したねぶたは、祭り終了後に全て壊す。照明は全部外して来年も使えるようにするが、針金の再利用は難しいため処分してしまう。自衛隊ねぶたは一体もので制作していて、題材自体、初めて見る人にも分かり易いように選んでいるため、シンプルに迫力・色を楽しんでほしい。

 

<運行>

  今年は運行体系を入れ替えている。跳人に囃子の音が聞こえていなかったという反省を踏まえ、先頭から跳人、囃子、ねぶた本体の並びに入れ替えている。囃子の音に合わせて跳ねることで一体感を出し、統制踊りも囃子が近くにいることでよりリズムを合わせていきたいそうだ。

 

<囃子>

  青森自衛隊ねぶた協賛会囃子部では、観客の皆さまを楽しませ客席との一体感を感じられる囃子が見どころとなっている。担ぎ太鼓などを演奏しながら沿道を盛り上げている。

  自衛隊は命令によって隊員が招集されるが、しかし囃子部に参加する隊員は「囃子をやりたい人」、「みんなで楽しむことが好きな人」が集まり活動している。また、隊員だけでなくその知り合いや駐屯地近くの住民も参加できる。

 

文責:小関樹

 写真:2017年 「鹿島神と要石」 制作者:有賀 義弘