青森菱友会

~令和元年は30回目の出陣~

【2019年のみどころ】

  今年の題材は「(きの)(とも)()一首(いっしゅ) 千方(ちかた)誅す(ちゅう)」。制作は竹浪(たけなみ)比呂(ひろ)()氏である。天皇より紀朝雄は鬼を意のままに操り悪さをする藤原(ふじわらの)千方(ちかた)の討伐を命じられる。

      草も木も わが大君の國なれば いづくか鬼の(すみか)なるべき

  

 朝雄は「この国の草木も天皇が治めているのだ。鬼の住み家はない」という和歌を一首、鬼たちへ送ると鬼の術は奪われ一目散に逃げ去る。こうして千方一行を討伐したという。 戦いの場面はねぶたに多いが、武器ではなく念力を込めた和歌で対敵を迎え討つ場面は珍しい。正面だけでなく送りにも描かれた和歌が風で舞う様子や正面は紀朝雄、千方、二鬼の 4 体からな
る豊かな色彩に注目していただきたい。
 天皇陛下の即位を奉祝し令和時代の安寧と繁栄の願いが込められている。

【歴史】

 青森菱友会は平成 2 年に初陣、以降毎年出陣している。令和元年は出陣 30 回目の節目の年である。 本団体は昨年の平成 30 年にねぶた大賞を受賞し“平成最後のねぶた大賞”を受賞した団体となった。その他「今別の伝説より 大泊の鬼」(平成 12 年)「小川原湖伝説 道忠幻生」(平成 17年)の過去 3 度ねぶた大賞を受賞している。平成 2 年からいずれも竹浪比呂央氏が制作を担当し
ている。

 

【運行】

 囃子は「青森菱友会囃子方」が行う。メンバーは100名が在籍しており、60~70 名が社員で残りの 40 名程は本団体で演奏したいという一般の方である。実際にねぶた祭で演奏するのは 70~80 名ほどだ。囃子の大きな特徴は音響機材を一切使用しない「生音」へのこだわりだ。笛の旋律と太鼓と手振金の迫力や賑やかな「らっせらー」の掛け声を体感していただきたい。 跳人は 1 日で 200 名が参加している。

 国内外の三菱グループ向けの広報誌「マンスリーみつびし」で跳人を募集している。東京都や大阪府を中心に 20 組が参加している。実際の応募は非常に多いが宿泊施設が確保できないため 20 組の受け入れにとどまっている。 また毎年 8 月 3 日は「じょっぱり隊」という平内町の清風荘を事務局に障がい者とそのご家族 で結成された団体を受け入れている。毎年 30 名ほどが参加し、この取り組みは 20 年以上続いている。平成 30 年までは青森県各地域の題材のねぶたが運行していたため、題材となった地元の
学生たちも 8 月 5 日に参加していた。 青森県内を問わず地域社会に密着した取り組みが本団体の跳人の特徴である。
 30 回目の出陣となる令和元年は新たに「掛け声隊」を結成しマイクパフォーマンスで跳人を盛り上げる予定だ。 曳き手は各会社の若手社員が担っており、平日の運行でも 16 時頃になるとねぶた小屋に集合す
るのがねぶた祭期間の毎年恒例の風物詩だという。

 

【制作】
平成 2 年から初陣から製作者は竹浪比呂央氏である。
平成 6 年~30 年までは青森県各地域の伝説や伝承を題材としたねぶたであった。
30 年目の出陣となる令和元年は青森県の題材から離れた特別な年になっている。
30 年分の作品は
こちらからもご覧いただきたい。
 
                                                           文責:川口暖乃