JRねぶた実行プロジェクト

~岩木山を背に五穀豊穣を願うねぶたで出陣~

<今年の見どころ>

 今年の題材は「風神雷神」。ねぶた師は昨年と同じく竹浪比呂央氏である。送りは岩木山。ねぶたは岩木山を背に天上を舞い、「暴風を鎮める風神」と「雨をもたらす雷神」が配置されている。青森から世界の五穀豊穣を願うねぶたとなっている。これまでのJRのねぶたのコンセプトと同様、「退治」「安全」といったイメージが表されている。特に青森から、日本、世界に向けて平安を祈願する願いが発信されているのは、特徴的だといえるだろう。

 JRらしさとして、雷神の傍らにいる鳥は隼である、これは新幹線「はやぶさ」にちなんでいる。

 

 <歴史>

 現在のJRねぶた実行プロジェクトの前身は昭和39年に初めてねぶたを出した「国鉄」である。その後平成元年に「JRねぶた実行委員会」、平成21年より現在の名前になった。昭和47年に一度だけ不参加の年があり、2017年時点で53回目の参加となる団体である。「首都圏からお客様を運んでいただきたい」という青森市役所からの依頼が経緯の一つであり、出陣の背景には、青森ねぶた祭りが大きくなれば総客数が増えるということがある。以前は協賛集めを行っていたが、現在は本社からの予算で賄っている。

 

<運行>

  囃子はJRねぶた囃子会が行っていて、一般の企業の人も加わり一つの組織として成り立っている。練習はねぶたの時期が近づくと毎日夕方から行っている。跳人はHPで募集している。浴衣の数に限りがあるため、申し込みはFAXのみで受け付けている。浴衣、足袋または草履は自前、その他はすべて貸し出されており、衣装に関してはJRのカラーはあるが、若い世代が跳ねなくなっているので、一般の人にも跳ねてもらえるよう、レンタルした衣装での参加を認めている。国鉄時代には、跳人の前に手踊りがあったこともJRねぶた実行プロジェクトの特徴の一つである。当時、手踊りをしていたのは職員の家族で、手踊りを復活させたい思いはあるものの、今の時代は共稼ぎのため人も練習する余裕もなく、復活させることができないのが現状である。曳き手は高校生アルバイト20人ほどに依頼している。

 

<制作>

 JRねぶたの一番の特徴は迫力であり、制作に関してはすべて、「~を退治する」という「安全」を意識したものになっている。過去の制作者は北村隆、現在は竹浪比呂央氏が担当している。JRとしては北村隆氏が平成11年、平成13年~15年とねぶた大賞を受賞、竹浪比呂央氏が平成16年と平成28年にねぶた大賞を受賞している。

 

 <囃子>

 JRねぶた囃子会ではただうまいだけでなく、「いい囃子」を目指しており、会員は常に「気持ちを込めて」演奏することを心掛けている。また、JR独自の出陣太鼓はSLが難所の山を登っていく情景をイメージしており、鉄道会社ならではの特徴となっている。

 

文責:小関樹

写真:JRねぶた実行プロジェクト 「剣の護法」 竹浪比呂央