パナソニックねぶた会

~輝け!パナソニックの光 4年の想いをのせて~

【2023年の見どころ】

 パナソニックねぶた会の今年の題材は「孔雀明王と役小角」である。制作者は北村蓮明氏だ。孔雀明王は厄災を退ける神様という意味があり、コロナ禍で長くねぶたができなかったことに対する思いが込められたねぶたとなっている。ねぶたは、弟子入りしている役小角が孔雀明王に出会うことができたことを、役小角が使っている式神(鬼、タツノオトシゴ)も出てきて喜んでいる場面を表現している。前ねぶたは例年通り、パナソニックのブランドのものを出し、LEDにまつわる告知も入る。送りのテーマはサプライズとなっている。

 パナソニックねぶた会は4年ぶりのねぶた祭りへの参加となるため緊張感がある。団体としては初の吹き流し方式の逆回りでの運行であるため不安も大きいが、事故・怪我がなく安全に運行し、祭りを楽しむことを目標としている。また、鈴を準備しており、今年は制限のない運行ができるため、手渡しで鈴を渡すことができるように体制を整えたい。

 

【制作について】

 ねぶたは北村蓮明氏が制作しており、ねぶたのテーマはねぶた師に任せている。原画は例年1月末から2月初めにお披露目会がある。今年は2月1日にお披露目会が行われた。

 パナソニックのねぶたは全てLEDを使用している。本体には1400個のLEDが使われており、LEDの色や圧力などの変化に合わせて位置を考えながらつけている。電球の他にも、蛍光管やテープ型など様々な種類のLEDを活用し、見せ方にこだわっている。

 

【囃子について】

 囃子は、「青森わの會」が行っている。名前の由来は「私のわ」と「みんなとの輪」など、さまざまな「わ」をイメージしている。「青森わの會」は、囃子を子供に伝承し、子供と一緒に囃子を楽しむために結成された会である。

 

【運行について】

 囃子方は人数が減少し、例年は80~100人が参加していたが、今年は毎日70人くらいが祭りに参加する。曳手の人数は例年通りである。今までは高校生のアルバイトだったが、今年はベテランの方が本体を曳く。跳人は若者の他に子供連れや関係者などが参加している。人数は他の団体と比べて中規模くらいであり、温かいイメージがあることが魅力でもある。扇子持ちは、年配の男性2人と双子の女性2人に加えて、今年は若手の男性2人が行う。1人の扇子持ちがねぶたを動かすのではなく、色々な人に経験してもらい、扇子持ちの文化を途切れさせないために扇子持ち全員で動かすということが他の団体との違いである。年配の2人が全体、女性2人が中心をとり、若手2人がサポートをする。特に、ねぶたを回すときの双子の女性2人の連携に注目したい。

 また、前ねぶたの脇には65インチテレビを積み、お客さんが楽しんでいる姿をリアルタイムで映す。蓄電池式で、バッテリーや発電機を積まないという点で、パナソニックの技術力も見せながら運行するというこだわりがある。

 

文責:三澤佳奈

 

写真:2023年 パナソニックねぶた会 『孔雀明王と役小角』 制作者:北村蓮明