日本通運ねぶた実行委員会

2023年の見どころ】

今年の大型ねぶたのテーマは林広海氏による「日出処の天子」である。

ねぶたは極楽浄土にいると言われる迦陵頻伽が舞う中、仏教を守護する毘沙門天の御加護を受け、七星剣をかざし、砂邪頭正、恒久平和「和を以て貴しと為す」を希求する聖徳太子

の御姿である。また、前ねぶたは日本通運と王林ちゃんの顔が乗ったボートレースの広告が出る。

今年でねぶたを75周年連続出陣している日本通運は運行団体の中でも最古参だ。しかし、コロナ禍により、日本通運の中でねぶたを経験した社員が少なくなってきており、経験者を増やし、コロナ前のねぶた体制を取り戻す、新たなスタートが期待される。運行ではスピーカー台車を使ってかけ声をする方法に戻すという。また、かけ声をかけるのは男女問わず、希望があればアルバイトでも台車にのせて実施するという。引き手はアルバイトを 50人程度の学生を集め、昨年ははんてんを着ていたが今年からTシャツを作って運行するという。

 

【歴史】

 日本通運ねぶた実行委員会は、昭和22年から連続して祭りに出陣しており、2016年には70周年を迎えた最も古い歴史を持つ団体である。祭りに参加することとなったきっかけの一つは、祭りに参加したいという従業員の声である。その始まりが今まで脈々と続き、70年以上の歴史を築き上げた。ねぶた祭を広告媒体と捉えるのではなく、地域貢献の一環としてこれまで参加してきた。

 

【魅力】

みんなで楽しくもとのねぶたのスタイルを取り戻そうとする日本通運だが、今年で75回目連続の運行であり、歴史の長い団体で、囃子も伝統的である。青森郷士芸能ねぶた離子保存会http://www.geocities.jp/kyoudogeinou18元々は、青森郷土芸能保存会という名前で活動していた。その後、ねぶた囃子一つに活動を絞り、現在の青森郷土芸能ねぶた囃子保存会に改名された。鉦、太鼓、笛の3つができて一人前とされ、担当の楽器以外も演奏することが当たり前とされている。運行中は、昔ながらのファンも含め、見ている人がかっこいいと思えるように魅せる囃子を心がけている。

 

文責:西川花菜

 

写真:2023年 日本通運ねぶた実行委員会『日出処の天子』制作者 林広海