東北電力ねぶた愛好会

~地域社会に「寄り、添い」、ねぶたと未来を照らす~

 【2023年の見どころ】

今年の題材は、「東北の雄 阿弖流為と鬼剣舞」。制作者は立田龍宝氏である。阿弖流為が鬼剣舞を従え奮闘するその勇姿に、これからの青森ねぶた祭や東北地域を盛り上げていきたいとの熱い思いを込めている。前ねぶたは新しく作りなおすそうだ。

 

【歴史】

東北電力ねぶた愛好会は昭和23年から運行を開始した。経営理念が「地域繁栄への奉仕」ということもあり、地域との共栄を目的に始めた。現在のコーポレートスローガンも「より、そう、ちから。」であり、地域に寄り添い、地域の伝統文化の継承と地域の盛り上げに貢献するため運行を続けている。東北電力ねぶたはオイルショックの影響を受け、昭和 48年に出陣を休止した。しかし青森市内に在住するねぶたを愛する有志からの復活を望む声が多くあり、労働組合が中心となって東北電力ねぶた愛好会を立ち上げ、昭和 59 年に運行を再開した。運営資金は愛好会員からの会費を中心に、関連企業や取引先からの協賛金により賄っている。現在も労働組合と会社が協力してねぶた運行を行っている。

 

【運行】

 今年は8月2,4,5,6,7日に出陣する。会員数は、お囃子が50人ほど、曳手が昨年と同じくらいの規模で、跳人が100人ほどである。東北電力ねぶた愛好会では花笠の着用は必須で、跳人として参加する人には貸し出しを行っている。囃子は社員が中心となった電囃会という部隊を持っており、その会員は 50 人ほどである。その中には勤務地が県外の人もおり、休日を利用して青森に囃子の練習に来る人もいるのだという。

曳き手は、愛好会員を中心に行っているが、関連企業従業員の協力やアルバイト募集により対応している。

 

【制作】

ねぶたの制作は、立田龍宝氏が制作する。今までの東北電力のねぶたを制作していた京野和鴻氏の勇退に伴い、東北電力の昔ながらのねぶたから、また違うねぶたを見ることが出来るだろう。

 

【東北電力ねぶた愛好会囃子方 電囃会でんそうかい】

名前の由来は「東北電力の囃子の会」ということからきている。結成当初の先輩方の思いや囃子のこだわりを大切に引き継ぎ、さらに後継へと伝えていくことに重きを置いて活動している。また囃子は「縁の下の力持ち」という理念のもと、ねぶた本体や跳人を盛り上げるべく音を奏で、影ながら東北電力ねぶた愛好会を支えている。

 

文責 尾藤実裕

 

 写真:2023年 東北電力ねぶた愛好会 『東北の雄 阿弖流為と鬼剣舞』 立田龍宝