青森山田学園ねぶた実行委員会

~見よ!青森山田の若者力!~

【2023年の見どころ】

  2023年の青森山田学園の題材は「鎮西八郎」である。鎮西八郎の時代にいた源為朝が世を収めていた時に天然痘が流行していた。しかし、源為朝は天然痘を物ともせずに政治を続けていた。さらに、源為朝は弓の名手である。これらの要素にインスピレーションを受け、コロナ禍でもめげずに活動を続けてきた青森山田学園を表現している。

 青森山田学園の大型ねぶたは、今年から北村隆氏から変更となり、その弟子にあたる塚本利佳さんが担当する。彼女は北村隆氏の娘である北村麻子氏の弟子でもあり、北村隆氏、麻子氏2人の要素を組み込んだねぶたが期待される。

  青森山田学園の魅力は何と言っても若さゆえの熱気だろう。今年はねぶた師も新しくなり、新鮮さが増した運行となることが期待される。教育機関からの参加ということもあり、若さはもちろんのこと、自由と規律が共存した、統率の取れた、まさに「学生らしい」運行に注目である。

 

 【運行団体について】

  1971年、青森大学開学3年目に初の出陣を飾る。当時最大の後援者であった青森県信用組合が、理事長・木村正枝氏に働きかけたのがきっかけである。まだ経営学部のみで、学生数も120~130人。ねぶた責任者であった斎藤守太教授を先頭に、大学全体で参加した。当時は、現在のように青森山田学園ではなく青森大学として運行。また、先頭の役員団の前に青森山田高校のブラスバンドが演奏しており、「学生らしいねぶた運行」が行われていた。

  その後1989年(平成元年)より毎年出陣しており、最初に賞(田村麿賞)をとったのが1994年の『宇治川の先陣争い』。制作者は北村隆氏である。この年は跳人賞も獲得しダブル受賞であった。制作者の北村隆氏は平成2年から現在に至るまで青森山田学園のねぶた制作を受け持っている。その間、田村麿賞、ねぶた大賞受賞歴は6回。特に平成18、19、20年と3年連続でねぶた大賞を受賞し、青森山田学園のねぶたの全盛期を作った。北村氏の第6代ねぶた名人への道のりは山田のねぶたにあるといっても過言ではないだろう。

  青森山田学園として出陣するようになったのは2003年(平成15年)から。そこから「学園ねぶた」の愛称で出陣し続けている。OB、そして学園関係者の力が、「学園ねぶた」の源だ。

 

【運行について】

  なんといっても学生生徒中心の元気ある跳人が魅力。曳き手は主に部活(野球部・剣道部)の学生である。そこに教職員・OBが加わって運行される。囃子はOB中心の「隆櫻會」。會の名称は、受賞全盛期に理事長であった故「北村隆文」氏と現制作者「北村隆」氏の「隆」、学園のトレードマークの「桜」からとっている。青森市の教育機関としては唯一単独で大型ねぶたを運行しており、青森山田学園から輩出される全国的にも有名なスポーツ選手の活躍が、毎年運行に花をそえている。

 

文責:松村南

写真:2023年 青森山田学園 『鎮西八郎為朝』 制作者:塚本利佳