青森菱友会

~挑戦をやめない竹浪比呂央 紙の表現に注目!!~

【2023年の見どころ】

今年の題材は「牛頭天王」。制作は竹浪比呂夫氏である。今回の題材である牛頭天王は弘前市の最勝院護摩堂で祀られ、疫病除けの御利益があると津軽の人々に信仰されている。制作者である竹浪比呂夫氏は、斬新なアイデアと技法を取り入れ、毎年、新たな表現に挑戦する。今年はあえて一体の大きな牛頭天王で迫力を見せる。牛頭天王の肌色の赤の色彩表現にも注目して欲しい。2019年にねぶた大賞を受賞した「紀朝雄の一首 千方を誅す」で舞っていた紙の表現を取り入れ、蘇民将来の護符をよりリアルな紙質に近づけた表現に挑む。紙と灯りの造形としてのねぶたの可能性を追求する竹浪比呂夫氏は、今年第7代ねぶた名人に選出された。ねぶた名人決定後は初となる今年のねぶた「牛頭天王」に乞うご期待!

 

【歴史】

青森菱友会は平成 2 年に初陣、以降毎年出陣している。平成 2 年からいずれも竹浪比呂央氏が制作を担当している。令和元年は出陣 30 回目の節目の年であった。令和2年度、3年度は青森ねぶた祭がやむなく中止となってしまったため、今年は出陣32回目となる。本団体は平成 30 年に「岩木川 龍王と武田定清」でねぶた大賞を受賞し“平成最後のねぶた大賞”を受賞した団体となった。また、平成30年に続き、令和元年にも「紀朝雄の一首 千方を誅す」でねぶた大賞を受賞し、“令和最初のねぶた大賞”を受賞した団体となった。その他「今別の伝説より 大泊の鬼」(平成 12 年)「小川原湖伝説 道忠幻生」(平成 17年)の過去 4度ねぶた大賞を受賞している。昨年度(令和4年)は「龍王」でねぶた大賞を受賞した。

 

【運行】

囃子は「青森菱友会囃子方」が行う。以前は100名が在籍しており、60~70 名が社員で残りの 40 名程は本団体で演奏したいという一般の方であった。しかし、新型コロナウイルスの影響で以前に比べて人数が減ってしまったため、現在は50名ほどで社員が中心となっている。囃子の大きな特徴は音響機材を一切使用しない「生音」へのこだわりだ。笛の旋律と太鼓と手振鉦の迫力をぜひ体感していただきたい。

今年は3年ぶりに制限のない通常運行となるため、よりスムーズな運行を目指すという。

 

【制作】

平成 2 年の初陣から制作者は竹浪比呂央氏である。題材について、菱友会から竹浪比呂央氏に「地域に密着した題材」をお願いしているが、そのほかにスポンサーとしてお願いしていることは特にない。平成 6 年~30 年までは青森県各地域の伝説や伝承を題材としたねぶたであったが、30 年目の出陣となる令和元年は青森県の題材から離れた特別な年であった。

今年度は例年通り地域に密着した題材でねぶた制作が行われる。

 

文責:成田葵葉

 

写真:2023年 青森菱友会 『牛頭天皇』 制作者:竹浪比呂央