JRねぶた実行プロジェクト

~疫病退治の神に願いを込めて~


【2023年の見どころ】

 今年の題材は「強弓 島の為朝」。疫病を寄せ付けない神として崇められている為朝の勇姿に新型コロナウイルスの終息を願う。為朝が鬼夜叉と戦う場面を表現している。2020年、2021年とねぶたのない夏を経験。3年ぶりの開催となった2022年は様々な規制があった中でも安全に盛り上がりのある運行であった。今年(2023年)は、規制が緩和され、4年ぶりの通常運行となる。制作者の竹浪比呂央氏は、昨年(2022年)「鍾馗」で動きのある6匹の鬼を表現した。今年(2023年)は2体でうち1体が鬼というシンプルな表現に魂を込める。更にパワーアップした鬼の表現にご注目あれ。

 

【運行】

 昭和 39 年に「国鉄」として初陣、平成元年からは「JR ねぶた実行委員会」に名称を変更し平成 21年から現在の「JR ねぶた実行プロジェクト」に名称が変更された。囃子は「JRねぶた囃子会」が行う。メンバーは社員と一般の方で、会員数は160人ほどで構成されている。跳人については、通常1日で約300人が参加しており、規制緩和された今年は例年通りの人数参加が見込まれる。蒸気機関車の動輪をイメージしたデザインの跳人衣装が特徴である。4年ぶりの通常運行となる今年は、コロナ禍前(2019年以前)に近づけた形での運行を行う。

 

【制作】

 平成16年以降の制作は竹浪比呂央氏が担当している。以降は新青森駅開業や北海道新幹線開業など新幹線の推移や“交通安全”・“速さ”にちなんだ題材が特徴だ。平成28年には、「蝦夷ヶ島と九郎義経」がねぶた大賞に輝いた。

 

過去のねぶた紹介

平成29年「剣の護法」護法童子の雄姿に、安心安全な交通網への願いを込めて。

平成30年「風神雷神」五穀豊穣をもたらす風神と雷神を表現。

令和元年「浄焔 日本武尊」新しい時代の繁栄と安寧を祈って。

令和3年「術競べ 袴垂保輔と鬼童丸」東京オリンピックの熱戦を、妖術競べに擬えて。

令和4年「鍾馗」新型コロナウイルス感染症第六波の一日も早い終息を願って。

 

文責:成田葵葉

 

写真:2023年 JRねぶた実行プロジェクト 『強弓 島の為朝』 制作者:竹浪比呂央