NTTグループねぶた

~SDGsを掲げ、いざ出陣!~

【2023年の見どころ】

 NTTグループねぶたの今年の題材は「釈迦降誕」、制作者は北村春一氏である。

 

 釈迦が誕生した場面を表現したねぶたとなっている。釈迦は「天上天下唯我独尊」と言い、人間は誰とも代わることができないとして命の尊さを説いた。NTTグループはSDGsに積極的に取り組んでいる企業である。「釈迦降誕」のねぶたを通して、世界情勢が安定するよう願いを込めつつ「人や国の不平等をなくす」、また、昨年のねぶたの廃材等を再利用して今年のねぶたを制作し「つくる責任、つかう責任」というSDGsの目標を発信している。

 

 さらに、今年は青森市立北中学校とコラボレーションし、中学生が囃子に参加する。中学校とのコラボレーションをする団体は珍しく、NTTグループと中学生の、コラボしたことにより倍増した熱気を感じられるだろう。

 今年の前ねぶたはNTTダイナミックグループとドコモのポインコの2台を予定している。

 

【運行団体の歴史】 

  NTTグループねぶたは通算して63回目の参加となる団体である。発足当初は「NTTグループねぶた」ではなく、「電気通信省」や「電気共済会」という名称だった。名称が電気通信省だったとき、部長から「職員と一緒に何か楽しくやれるものはないか」という話があり、職員の士気高揚と、青森市の祭りに貢献するためにねぶたを出陣したのが始まりだ。グループ関連会社であるNTT ドコモ、NTTファシリティーズ、NTTデータスマートソーシングなどが協力してねぶたを出している。

 

【運行について】

 近年北村春一氏のねぶたが制作者賞に入賞している事から、団体として賞を取る事に前向きになっている。だからこそ、今年は4年前に受賞した知事賞に続く、大賞を狙いに行く勢いである。

 

【制作者について】

 過去の制作者は福井祥司氏、内山龍星氏で、現在は北村春一氏が担当している。若手の制作者育成の観点から、次代を担う人材を探していたところ、北村蓮明氏の息子である北村春一氏と話をする機会があり、ねぶた制作に対する熱意が感じられたことなどから制作を依頼することとなったのが始まりである。

 北村春一氏は、ねぶた見学会やワークショップの開催など、ねぶたの継承、育成にも積極的に取り組んでいるねぶた師である。

 

【囃子について】

  NTTグループねぶたの囃子は赤誠会が担当しており、現在結成36年目である。赤誠会には扇子持ちが多く在籍していることから、扇子持ちと囃子の会とも言われている。会の結成の際は、正調囃子保存会の方々ではなくNTTグループの社員が中心となって結成した。会の名前には真心をもって活動してほしいという当時の会長の思いが込められている。演奏を綺麗に見せるために、太鼓・笛・鉦ともに鳴らしどころを意識している。

 

文責:松村南

 

写真:2023年 NTTグループねぶた 『釈迦降誕』 北村春一