ねぶた愛好会

~ダイナミックな迫力あるねぶたに注目!~

 

【運行団体について】                                                                  

 ねぶた愛好会は、ねぶたを好きな人たちが集まって立ち上げられた団体で、今年で連続     出陣43年目となる。ねぶたの制作は25回にわたり石谷進氏に依頼していた。現在の製作者は諏訪慎氏である。スタッフは3、4人という少人数で大型ねぶたを制作している。大きい団体のスポンサーはなく、諏訪先生が描く今年のねぶたがデザインされた手ぬぐい、Tシャツ、市内業者からの提灯等を販売し、資金を調達している。40年間一切スポンサーをつけずに運行してきた唯一の団体であり、皆さんがスポンサーとなって毎年出陣している。

 今年の愛好会の参加日程は8月2、3、5、6、7日だ。曳き手はボランティアと高校生のアルバイトを雇い、跳人は完全に自由参加だという。ねぶた愛好会は自主団体として設立されたため、囃子もねぶたの制作もすべて自分たちでやるというのが特徴である。                                                                            

 

【 お囃子について 】

  ねぶた愛好会囃子委員会の会員は200人ほどいる。本番には100人程度の方が毎年参加。練習は毎週土曜日の夕方頃から岸壁で行っている。以前は平和公園で青空笛教室という練習会も行っていた。太鼓のたたき方はプロの演奏家指導の元、シンプルなものに変更した。

 

【今年のねぶたについて 】

  今年の大型ねぶたのテーマは「雪山童子」である。雪山童子は、お釈迦様が前生で修行をしていたときの名前である。鬼が不思議な詩を唱えているのを耳にした童子が、鬼に食べられる代わりに詩の続きを唱えてくれるように頼んだ。鬼は再び詩を唱え、童子はこの詩を多くの人に伝えるために木々や岩に刻み込み、約束通り鬼の口に身を投げた。すると鬼の姿はたちまち帝釈天という神様に変わり、童子を空中で受け止め地上に降ろし、いのちをかけた修行をほめたたえたという物語である。

 このテーマにしたきっかけは、毎年行われる小中学生ねぶた下絵コンクールで弟子の倉内裕太さんが「帝釈天と月の兎」という題材でチャレンジし、それに関連付けて、帝釈天を作ってみようと思っていた時にたまたまタイミングも合い、一緒に同じような題材でやろうと思ったからである。

 今年の前ねぶたは、金魚ねぶたと兜を被った大谷翔平選手だ。毎年、その年の話題になったものを前ねぶたとして制作している。去年も大谷翔平選手だったが、今年は今年でまた1から新しく作るそうだ。送りのテーマはお釈迦様の誕生で、周りにうさぎやゾウがいる。

 

【制作について 】

 2023年のねぶた愛好会は、例年に引き続き、諏訪慎氏が制作を担当している。諏訪氏が制作するねぶたはサイズ感を重視している。シンプルではあるが、迫力のあるねぶたを作るよう工夫しているという。今年のねぶたは、大きな鬼の顔と、おくりまで伸びるヘビに注目だ。見る人を惹きつけるようなおどろおどろしいねぶたをどうぞご覧あれ!

 

文責:飯田栞音

写真:2023年 ねぶた愛好会 『雪山童子』 制作者:諏訪慎